6時10分起床。ガスが掛かっている。
寒くてなんども起きたが、早い時間に寝たせいか、あまり眠気はない。
駐車場なし。
遊歩道は沼から始まる。ここも虫の声がスゴイ。
沼の向こうに湿原がこじんまりと広がる。
しばしヒメユリ、ワタスゲと戯れる。
もともと人の訪れることが少ないそうだが、今の時期はなおのこと。
のんびりとひとりの時間を過ごす。
大変なことがあった。
駐車場に到着。
道沿いにある看板を見ようと車を寄せたら…脱輪! いや、分かっていたんだ
溝があるのは。溝に金網が貼ってないのは。なんとなく大丈夫だろうと思ってしまった。
メンドくさがるほどのことでもないのに…ハゲおっさん大後悔。
とりあえず保険についてるジャフを呼ばなければいけない。しかし当然携帯が通じるところではない。
これで最低1時間半のロスだなと思いながら保険書を抱え道路に出て、
来る途中で見かけた停車中の車の方へ向かおうと思った矢先、早速車が通りかかったので
大手を振って助けを求めた。電波が届くところまで乗せていってもらうつもりである。
が、載っていた爺さん3人組は「あの軽だろ 男が4人いりゃ上がるべよ」
ということで「イッセーノーセ」で持ち上げてくれた。
助かった。大いに助かった。ビールでも飲んでくれと1000円出したが断られた。
1度断られたらそれ以上進めない。それが小生の流儀。大いに感謝し
失うはずだった時間をきっちり使うためにも気を取り直し出発。
大清水公園は散歩コースがかなり広く取られている。
カクマ谷・アザミ谷という二つの湿地と遊歩道。ランの花で有名なようだ。
ここも虫の声が物凄い。
ムササビの道なる山道を20分歩きアザミ谷到着。
日差しが強く、たまのような汗が出る。
肝心のアザミ谷は木道が途中で朽ちて立ち入り禁止だった……
道中、狐?がいた。車を止めて近寄るが全く動かない。
年おいて弱っているのか目やにを貯めている。
横から見たら腹が異様に膨れ、尻尾の毛が抜けている。
もうじき死ぬ運命なのだろう。
脱輪したハゲおっさんは人間様により助けられ、ハゲおっさんはこの死にそうな狐を助けることはない。
無慈悲なことである。
まぁ助けようったって助けられないわけだが…
ダート道を歩き10分。分岐を下り方面へ。
いきなり看板が出てきて到着。
大曽根湿原はドマイナーな所。
ここにもワタスゲ、ヤマユリの他にゼンマイが出ていた。
手入れがほとんどされておらず、木道が地面と一体化してしまっている。
大きさもそれほどでもなくダート道に入らなければいけないため、
無理に来る必要がないポイントだと言える。
どうしても一人で佇みたい人には有意義な場所か。
ダート道沿いにはいくつか花が咲いていて気分よく歩ける。
これはなんという花だろう。ここも虫の音がスゴイ。
ゲレンデの道路を登っていく。
入り口に看板も駐車場もないこんな感じ。
半獣道を歩いて行くがなかなか辿りつかない。虫はうざいし下草が邪魔だし汗はかくしうんざりする。
それどころか今まで何処を歩いてきたかわからなくなる始末。
これは戻れなくなるかも…と不安になり戻る。
ちなみに、獣道は光の道になっている。
つまり太陽が中天付近にある場合に限って、下草がふみわけられている獣道
の地面に陽光が届き、途切れ途切れの光のラインになっているのでかろうじて
道に復帰できた。結局40分近く、無駄に山中をさまよった。
道が少しでも怪しく思えたら立ち止まり当たりを見回す。それが休憩にも成る。
車に戻り、数分走ったら看板も駐車場もあった。
湿原まで15分歩く。先程から歩き通しでバンダナが汗でユダっていた。
そんな私につばを吐くような「相思相愛の木」なる看板のたつ、からみ合う二本の木。
どうして観光地ってこうなんだろう。
この湿原は高・中・低層湿原をすべて兼ねているようだ。
高層湿原は山に囲まれた湿原のど真ん中を行く。穏やかに吹き抜ける風が心地良い。
中低層湿原は木道がなく外から見るだけに留まる。残念だが水芭蕉は見れなかった。
ちなみに今回の旅で見た植物は最後に纏める。
行程ロスのない宮床温泉へ行こうと思ったが臨時休業中。
足を伸ばして赤岩荘へ。
女将に催されて、オススメの焼肉丼を食す。やや肉が甘いぐらいで、あとは普通…
600円 内湯1外湯2 飲用でき非常にしょっぱい。
露天風呂にはホースが突っ込んであり、他の客がいないので薄め放題。
おかげで長風呂してしまった。
周りに民家が少なく、夜はよく星が見えるだろう。
駐車場は小さい。
シーズンらしく駐車場に植生を解説してくれるオジサンがいた。
色々聞いていこうかと思ったがおばさんたちの相手に忙しそうなので出発。
看板の解説によると、ここも底層から高層まで湿原があり、
できた時期もそれぞれ違うようだ。
また、見所は湿原だけでなく背後に控えるブナの森。一部は戦後復興で伐採されてしまったが、
東側の森は手付かずの原始の森。
ここで雨がちらついてくる。逆コースにしなければよかったかも…
かなり広い… そして未だ水芭蕉もある。
色々湿原を回ってきたが、ここ一箇所で周り全ての湿原を兼ねると言って良い。
あとでおじさんに聞いたのだが、ここでは双葉の水芭蕉が見れるとか…
ワタスゲもなかなかのもの…と思ったが、おじさんの話によれば
あと一週間で全開らしい。ぴったりの時期に来るのは難しい。
夏にはキンコウカが咲き乱れるようだ。
帰りは遊歩道を通る。湿原の中は行きの一方通行。全部回れば写真をとりながらで2時間ぐらい
かかってしまう。ここは那須や日光からのアクセスも良い。
ぜひこれから夏・秋と寄って行きたい。周辺の湿原にはもう行かないけど…
秋は10月半ばごろが紅葉の最盛期みたいだ。雪もまだふらないからその頃にこいとのこと。
さて、あとは寝るだけ…
明日の天気が微妙だが、一応茶臼岳に近づきつつ寝床を選定する。
その前に時間に余裕があるため観音沼公園成るところへ向かう。
道中コメリ発見。毛布(2000円)を一枚買う。助かった…
写真は公園へ向かう一本道。
観音沼公園はなぜか駐車場がほとんど封鎖されていた。
入り口は別に封鎖されていない。なかにはいると季節の花がまぁまぁ咲いている。
そして結構見物客がいる。マチから近いので地元民だろう。
花写真をとっていたら土砂降り。急いで車へ戻る。明日の天気が思いやられる。
リゾートスパあぶくまが道的にもロスがなく都合が良かったのだが定休日の看板。
しかたなしにもう少し下りチャポランド西郷へ。
幹線道路から温泉までの道すがら、無駄なイルミネーションが…今の時期になんたる
叛逆精神。
1050円 タオル浴衣付き 食事は10時まで 内湯3外湯1 無色無臭
外湯は下流に行けばぬるく長湯できる。
食事は自家製つけ麺。本当は冷たい麺が食べたかったのでザルはないのか聞いてみたら
「冷たい麺食べたいですか・・・今度社長にいってみようかな」とか言っていた。
ここから店員と雑談が弾んだ。ガイガーカウンターで温泉を測ったがどうということはなかったこと。
道路がだいぶ寸断していること。放射能の心配はあるが家や仕事をおいて
逃げようとは思わないこと。内陸側の福島県民は普通にいきている。
まぁ福島って広いしね。
寝る前に相場チェックしようと思ったら携帯が繋がらん。
一度つながるところまで降りてチェック。戻って寝る。今日一日の
行程としては無駄足が殆ど無かった。
しかし湿原は駒止だけでよかったし、脱輪には肝を冷やした。反省すべき点の多い一二値となった。
曇天を眺めながら明日の天気を杞憂しつつ睡眠。